ブックカフェとは
たくさんの本に囲まれ、カフェでゆっくりとした時間を過ごす。
今、ブックカフェが注目されています。
「コーヒーを飲んでほっとする。落ち着いた空間で好きな本を読めたら…。」
「本好きな人が集まる場所で、本を中心としたコミュニケーションがとれたら…。」
ブックカフェは、そんな思いをかなえる空間であり、カフェと本屋が合体したお店のことです。
美味しい珈琲を飲みながら店内の本棚に並ぶ本を自由に手に取り読むことができ、気に入った本は購入できます。
また、一口にブックカフェといっても、様々な業態がありいくつかのパターンに分けられます。
1.新刊書店とカフェが併設
2.古本屋とカフェが併設
3.閲覧のみのカフェ
ブックカフェの魅力
コンセプトが明確で個性的なブックカフェが全国的に増加していますが、ご利用者個人が心穏やかに過ごせる場としてだけではなく、趣味を同じくする人々のコミュニティの場としても認知されています。
ブックカフェを利用する方たちにブックカフェの魅力をお尋ねすると……
○ブックカフェは心穏やかに過ごせる空間
・コーヒーを飲みながら好きな本を読んでいるとホッとする。
・静かなカフェで本を開いて落ち着いて読むことができる。
・仕事で疲れた時に、心穏やかに過ごせる。そして、また頑張ろうという気持ちになれる。
○ブックカフェは新たな出会いの場
・特定ジャンルの本を専門に扱うお店が多く、こだわりの本のラインナップで
新たな本との出会いを演出してくれる。
・店の様子を見ると店主の思いが分かるので、店主との会話を楽しむことができる。
○ブックカフェはコミュニケーションの場
・本の話が間に入ってくると、そこから話が広がっていく。
本を中心としたコミュニケーションが取れるので楽しい。
・本を介して興味や趣味を同じくする同好の志を見つけることができる。
ブックカフェ増加の理由
今や全国に増えつつあるブックカフェですが、
なぜ個性的なブックカフェが増えつつあるのでしょうか。
その背景として、年々新刊書店が減少していることがあげられます。
ネット通販により、一般消費者にとっては飛躍的に利便性が高まった半面、リアルな店舗を運営する書店においては、顧客数が激減する厳しい経営環境となっています。
この15年間で新刊書店数は約8,000店減少し、人口1万人当たりの書店数は1店舗を切ろうとしています。
新聞記事によると、全国の自治体の20%にあたる332市町村には新刊書店がないとのことです。
このような中、コミュニティの場、本との出会いの場としての本屋を作りたいとのオーナーの思いから
比較的小資本で主婦や定年後の人にも始められるブックカフェが注目されていると考えられます。
オーナーの興味や関心のあるテーマに絞ったものなど、個性的なブックカフェが増えています。
(参考)開業に必要な資金
新刊書店 :数千万円
カフェチェーン:数千万円
ブックカフェ :300万円~500万円(100万円という事例も…)
地域活性の場としてのブックカフェの可能性
ブックカフェは、空き家の増加、商店街の衰退、郊外団地空洞化、地域包括ケアシステムを支えるコミュニティの不足など、多くの自治体が抱えている課題を解決するヒントを与えてくれています。空き家や空き店舗にブックカフェが入ってくれば、空き家対策、商店街の活性化、郊外の団地が衰退しているといわれていますがその対策にも役立ちます。
店主の思いからコンセプトがしっかりしていて特定のジャンルに特化した本屋が多いので、そのジャンルに関心のある人がお客さんとして集まります。
お客さん同志が同好の志となり交流や情報交換の場としてのコミュニティが生まれることが期待されます。その結果、地域包括ケアシステムで進められている共助や相互扶助の拠点となる可能性があります。ブックカフェは、単なる古本屋ではなく、様々な社会的問題を解決するソーシャルビジネスとして期待できます。